鉄観音 1

何もできないのは病気なのだと薄々感じてはいたけれど、安くインターネットで調べてみたら余計にそう思うようになった。

 

病院?

 

行くわけないじゃない。だって、そういう病気なんだから。

 

何もできない、何もしない、面倒、やる気がない……そういう病気なのだから。

 

それを突き止めることも面倒で、だから病院なんて行くわけがない。

 

一見、頭が良さそうに見える。そう私のこと。本当はとてつもなく馬鹿なのに、いや違う、とことんまで間抜けで愚かなのに。

 

「頭がいいんですね」と言われると、ああそうなのかもなとも愚かだから一瞬思うのだけれど、いいやそうじゃないよとすぐに心が打ち消してくれる。そういうところが出てきたのは私も少しは成長したのかなと考える。

 

とにかく私は偉そうな喋り方をするのだ。ああ、愚かだ実に愚か。

 

それを頭がいいと表現してくれる人もいるし、なんて嫌な女だろうと思う人もいる。

 

気が小さい私は良くないことを傲慢に口にしてしまって、相手が気を悪くしたことを悟って胸のあたりからもやっとしたものを生み出してしまい目の下の肉がどすんと下がる思いをする。

 

途端に全てをリセットしたくなる。

 

仕事も交友関係も何もかも捨てて中途半端な田舎にでも引っ越して一からやり直したくなる。

 

そういう暮らしを想像して終わるのだけれど。

 

結局何もできないのだ。

 

そう、何もできない、それが私だし直ることもない。